皮膚筋炎・多発性筋炎は原因がわかっていない難病の一種です。今までの研究では、皮膚筋炎・多発性筋炎に類する症例として7種類に分類されています。
多発性筋炎・皮膚筋炎は、そのなかの代表的な症例で、多くの人は、骨格筋の機能の低下による日常生活動作指標(ADL)の低下をきたします。 重症例では、全く動けなくなる場合もあり、後咽頭筋や構語筋に傷害されると「食べ物を飲み込みにくい(飲み込めない)」「鼻声になる」「しゃべれない」などの症状があります。
更に、肺に炎症を認めたり(通常の肺炎とは異なる間質性肺炎)・心機能の低下をきたすこともあります。
治療法としては、ステロイド大量投与や免疫抑制剤の投与及びγグロブリン大量投与などかありますが、現在でも原因療法が確立しておらず、副作用のともなう副腎皮質ステロイドを中心とする種々の治療法で、病気の進行をおさえているだけで、多くの場合、完治するかどうかわからないまま長年にわたる副作用と戦いながらの治療が続きます。
この病気のこと、多くの人に知ってもらい、一刻でも早い治療法の確立が実現するよう、願っています。
皮膚筋炎・多発性筋炎の患者は、1991年の全国疫学調査の結果、多発性筋炎患者約3000・皮膚筋炎患者約3000人で、有病率は人口10万あたり約6人という少数派の病気とされ、初期から難病に指定されています。
2017年度の厚生労働省に登録されている患者数としては、多発性筋炎・皮膚筋炎患者は21,400人で増加傾向にあります。長期療養患者も多く、また潜在患者数もかなりな数になると思われます。
患者の男女比は、男性1に対し女性患者は2〜3倍と多く、発病時期は5〜9歳と50歳代の2つのピークを持ち、乳幼児から老人まで全ての年代に見られます。
医療の進歩にともない死亡率は減少しつつありますが、反面、長期療養を必要としている患者が増加しているのが現状です。患者が増加しているにもかかわらず、社会的な認識や、世間一般の理解はいまだ十分とは言えず、原因究明、治療法の確立などの活動の輪を広げて行く為にも、この病気の社会的認知を高めて行くことが、急務です。
病因の解明は未だですが、2010年代後半になってから診断・治療が大きく進歩しております。会の目的は≪私達の病気に効く(副作用のない)治療法或いは新薬の開発≫にあります。この壮大な目的が少しずつですが近づいているように思えます。
更新日:2022.7.7